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【2023年度義務化】マイナンバーカードの保険証利用開始とその影響

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2023.01.04

PHR / 健康管理アプリ

医療情報ネットワーク

行政 / 自治体

本記事では2023年度より義務化されたマイナンバーカードの保険証利用開始と影響について、厚労省のオンライン資格確認に関する行政資料を整理して解説する。

今までは個人に関する医療データは医療機関ごとに管理されており、有効に活用することができていなかったが、マイナンバーカードの保険証利用開始により、個人の正確な医療データを一元的に管理し活用することができるようになる。今後は保険証のオンライン資格確認を始め、ヘルスケア領域におけるデータ改革がさらに進んでいくだろう。

マイナンバーカードによるオンライン資格確認の導入が原則として義務化

マイナンバーカードによる保険証利用(オンライン資格確認)が2023年4月から保険医療機関・薬局において導入することが原則として義務づけられることが決定した。
また2024年度中には保険者による保険証発行の選択制の導入を目指し、最終的には保険証を原則廃止することでさらなるオンライン資格確認の普及を図っている。

今までは、個人の医療データは医療機関ごとに管理されていたため、重複する余分な投薬が起こったり、患者の他院での診療情報を把握するまでに時間がかかっていた。

マイナンバーカードによる保険証利用は、医療データの統一による医療の効率化を実現し、上記の問題を解決することが期待されている。また患者の医療情報を有効に活用する医療DXの基盤となるものとして見込まれており、導入が進められている。

オンライン資格確認の実施状況

現在、オンライン資格確認は2022年10月23日時点で約7.5万施設(義務化対象施設の35%)で実施されている。
さらに運用開始前に必要な顔認証付きカードリーダーに関しては約19万施設(義務化対象施設の90%)で申請が進んでいる状況だ。
対して、カードの保険証利用登録数はマイナポイント第2弾開始以降、約1,834万件増加しており、2022年10月23日時点で約2,776万件(公的医療保険制度加入者の約22%)が加入している。

最近では、オンライン資格確認を導入した医療機関・薬局における具体的な事例を紹介するウェブサイトやマスメディアでの広告も打ち出しており、さらに導入が進んでいくだろう。

オンライン資格確認で可能になること

実際にオンライン資格確認が導入されると大きく分けて以下の2つが可能になる。

1.医療機関や薬局における事務コストの削減

医療機関や薬局の窓口で、患者の最新の資格情報(加入している医療保険や自己負担限度額等)が確認できるようになる。
その結果、期限切れの保険証による受診で発生する過誤請求や、手入力による手間を減らすことが可能となる。

※画像出典:「オンライン資格確認の導入で事務コストの削減とより良い医療の提供を~データヘルスの基盤として~(2022.4/11)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10200000/000968032.pdf

2.正確なデータに基づいた診療

本人から同意を得た上でマイナンバーカードを用いて、特定健診の情報や診療・薬剤情報を医療機関や薬局が閲覧できるようになる。
したがって、複数医療機関を受診する患者の情報を集約して把握でき、過去の診療情報把握や重複する検査・投薬を減らすことが可能だ。災害時や旅先においても、患者の情報を確認することで、より適切で迅速な検査、診断、治療等の実施ができる。
また患者にとっても、医療従事者からの問診へ対応する負担の軽減や、対面診療の時間短縮につながるだろう。

今後さらに手術情報の閲覧(2023年5月目処)や電子処方箋の発行(2023年1月予定)も検討がされている。

※画像出典:「オンライン資格確認の導入で事務コストの削減とより良い医療の提供を~データヘルスの基盤として~(2022.4/11)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10200000/000968032.pdf

実際にオンライン資格確認が導入されていくとどうなる?

マイナンバーカードの保険証利用を通して、個人の医療データすなわちPHRを集約して管理することが行える。

2022年5月31日より既に、PSP株式会社が運営する民間PHRサービス「NOBORI」はマイナポータルと連携を開始している。NOBORIでこれまで管理できた電子カルテ、通院履歴、お薬、検査結果、検査画像、健康診断、血圧、歩数等のライフログなどの医療情報に加えて、予防接種、妊産婦・乳児・幼児健康診断情報、特手健診情報、薬剤情報、医療費情報などの行政機関で管理されている医療データをNOBORIで確認・保管が可能となっている。

※自社サイト参照:「今抑えておくべきアプリケーション」
https://www.harmony-healthcare.jp/357/#PHR-5

オンライン資格確認の導入が義務化される2023年4月を迎えると、さらに保険医療データの個人向け提供サービスや、自治体や市向けのPHR導入サービスが充実し、制度の隔壁を超えたデータ分析も可能となることが見込まれる。また多くの民間PHRサービスがマイナンバーに紐づいたPHR情報との連携により、扱う健康情報の幅はますます拡大していくだろう。

参照資料

「オンライン資格確認等システムについて(2022.10/28)」
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001006223.pdf

「オンライン資格確認の導入で事務コストの削減とより良い医療の提供を~データヘルスの基盤として~(2022.4/11)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10200000/000968032.pdf

「オンライン資格確認の導入が 原則として義務付けられます ~データヘルスの基盤となります~(2022.7/22)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10200000/000968032.pdf

「PHRアプリ「NOBORI」、マイナポータルとの連携を開始(2022.5/31)」
https://www.psp.co.jp/news/20220531_news_mynaportal.html

「今抑えておくべきアプリケーション(2022.12/08)」
https://www.harmony-healthcare.jp/357/#PHR-5

 

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